前にカーボンプリントの色は自由と書いたが、もちろん使える色材があればのことである。日本画用の顔料ではどうか。一口に顔料と言っても、その由来物質によりさまざまであるが、概して粉体で市販されているものは、粒度がかなり細かくてもむずかしい。それはゼラチンに混ぜたのち、支持体に塗布するまでの間に、粒子がどんどん沈殿していってしまうからである。もともと画材の顔料は粒度を揃えてあるはずだが、それでも大きな粒子から沈んでいってしまう。逆に荒い粒子を除くためには、これはある程度必要な過程でもあるのだが、顔料は「岩料」でもあるから、比重の大きな原料のものだと、ビーカーの底にヘドロ状に溜まってしまい使えない。かといって無理に混ぜれば、表面のきたないムラなティシュとなってしまう。日本画の顔料の中には、使いたい魅力的な色が多いのだが、上記のような理由であきらめている物が多い。それでは、再磨碎してもっと細かくしたらどうかといえば、こんどは色が薄くなり最大濃度が落ちてしまうのである。要はゼラチン中に安定して懸濁状態でいるものが理想ということだ。以上は目下の研究課題である。
 さて、日本画顔料を使った作は後に回して、今回の色は、実はPGIさんの販売しているカーボンティシュを使ったもの。B&S社のforest greenである。デジタルネガに細工をしてピクトリアリズム調にしてみた。けっしてご本家作家のみなさんの作とは比較しないでいただきたい(苦笑)。

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    24×15.5㎝(クリックで良質画像)
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# by blue-carbon | 2011-05-18 10:00
  10日に載せたジア画像の対象がこのカーボンプリントである。プリントをデジカメで撮ったものをモニター上で見せるのでは、オリジナルの味が伝えられなくて残念だ。
 カーボンプリントには各種の色材が使えるが、このプリントは書画用の墨液を使用している。カーボンプロセスは暗部描写にすぐれるので、ローキーな絵柄に向くようだ。また、現像直後の画像からは想像できないほどの解像力を乾燥後に現す。過去には、欧米で図版印刷にも使われただけのことはある。一方日本人のカーボン作品は、ほとんどみることがない。私が思うに、カーボンプリントは比較的ドライで明快な印象を与えるので、ピクトリアリズム期の日本人には、情緒的に好まれなかったのではないか。しかし、現代のマテリアルやデジタル技術の応用で、技法/表現共に、いくらでも発展の可能性があり、私にとって魅力的なプロセスだ。
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作成oct.2010 (画像クリックで拡大)
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 これまで使っていたUV露光機が小さくて不満だったので、大きめのを作ることにした。

 現在のものはこれ。

b0229474_10305584.jpg光源部(15WUV管8本)

b0229474_13453479.jpg排熱ファン(反対側に吸気フィルター)

b0229474_10321327.jpg電源部(15W用インバータボード×8)

 写真説明
 光源部は水平に置いたイーゼルの上10〜20㎝離して、伏せて設置。ほぼ最大10×14inのプリントができた。設計ではイーゼル密着式を考え、電動放熱ファンまでついている。しかし、多少離して照射しても十分で、そのほうが使い勝手もよいので無用の長物となった。
 電源部は独立して製作した。インバータの採用は、安定器(スターター)式にくらべ発光の効率と安定に優れ、また蛍光管の疲労も軽減されるため、長期の使用を考えると有利と判断した。結果として大きく重い安定器などが不要で軽量コンパクトにできた。さらに点灯時間のコントロールが、手持ちの引伸機用タイマーをそのまま利用できたことも幸いであった。
 ただ、こうしてあらためて見ると、光源部/電源部共に必要以上に凝りすぎた作りである。次作はおおいに合理化の必要がある。

 そこで今度の製作はできるだけシンプルな構造とし、光源部と電源部を一体化する。
 構成は20W×10本で、やはりインバータを採用する。
 
 製作過程は今後順次upしたいと思う。
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 サイアノ+プラチナといきたいところだが、気分だけにして、これはインクジェット+ジア。青色の範囲でお分かりだろう。残念ながら実物はかなりプアである。このブレンドに意味があるかどうか微妙。それでもディープシャドウほど黒に近づくことの効果はありそうだ。両者の配分しだいでは、かなりよさそうな気もする。インクジェットなら色調は何色でもOKだから、いずれ思い切った色で試してみたい。
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May 2011
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# by blue-carbon | 2011-05-12 10:00
 ネガの調子をカーボンタイプと比較するため、しばらくぶりにジアタイプのプリントを試みた。ジアタイプはプラチナ(+パラジウム)プリントより扱いが容易である。なにしろPOPで現像の手間がいらない。薬品最低2種類の混合でOK。なにより安価にできる。欠点はプラチナほどの艶めきと深みがないことか。発色もさまざまに可能なのだが、薬品の調合と用紙の違いや湿度管理がひどくセンシティブなので、色調のコントロールはむずかしい。それにまじめにデータ取りもしていないのであたりまえである。今回は基本の黒。
それにしても、テストだからといって感光薬の刷毛塗りをぞんざいにしてはいけない。反省!
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May 2011
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# by blue-carbon | 2011-05-10 16:58