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 地元の私営郷土博物館で、若手の作家や商店経営者が、バザールのようなものをやっているので行ってみた。新作の陶器や木工などの工芸品から雑多な骨董品、衣料服飾品からコーヒーやジャム、軽食などなど、実に多様な小店が並び、やはり若い客達で混み合っていた。その中の古本を扱う店の片隅に、ヨーロッパの古い絵はがきと書かれた箱があり、三四十枚のPost Cardが入っていた。見れば全て写真画像でしかも印刷ものはほとんどなく生写真である。こういったポストカード自体は珍しくもなく、古物としてありふれたものなのだが、私自身はこれまであまり詳しく見たことがなかった。値段も安かったので、これと思う物を五六枚買って帰った。
 家に帰りあらためて良く見ると実に興味深い。時代としてはほとんどが20世紀初頭ころの作成であろう。乾板密着によるプリントで、調色による耐久性をつけたものもある。サイズは9×13.5〜14㎝、日本で大手札と呼ばれたヨーロッパ規格の乾板をさらに横に伸ばしたポストカードサイズである。
 以下に少し紹介する。

これはイギリスのカード。St' GILES CATHEDRAL, EDINBURGH. の文字が見える。表には THIS IS A REAL PHOTOGRAPH とある。
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これはドイツのカード。Frankfurt a. Main, Dom, Apostelaltar. とてもきれいな画像だ。縁なしの画像だがこんなに細い白縁を後で塗っている。ドイツらしいかも。
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これもイギリスのカード。Catholic Church West Hill Wondsworth の手書き文字。
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立派に銀が析出している。ダゲレオタイプのようだ。
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これが初めて手に入れたカーボンプリントのポストカード。ルーペで見ると顔料の粒子がはっきり見える。残念ながら仕上げはあまりよくない。1576 MODANE--Ville とあるからフランス南東部の小さな町の風景のはず。数字は撮影年ではありえないので不明。
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最後はイタリアのカード。表に ASSISI - S. Damiano. の文字。この画像はおどろくほど精細である。
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建物正面の銅像の台座にはめ込まれた浮き彫りを、拡大して見ていただく。『最後の晩餐』であることがわかる。
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※あまりに大量に作られたため、研究の対象にもされないようなヨーロッパのポストカードではあるが、なかなかどうして、じっくり見ていくと実に興味深く、また教えられることも多いものである。
 
 
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by blue-carbon | 2011-10-07 23:25