<   2011年 09月 ( 2 )   > この月の画像一覧

exPhotographyのarata氏とのツイッター交流で、Chiba-sistemという技法に魅かれるている。チバシステムとはもともと、千葉大学の大学院生である(あった?)Halvor Bjoerngaard氏の学位論文 A Non Toxic Alternative to the Dichromate Processesに書かれていた写真技法で、ネットでもアートフォト工房のMooMoo-ya氏が先駆的に紹介、研究をされている。私も以前にこの論文に目を通して見たのだが、なにせ全文英語であるから、私の錆び付いた英語力と化学力ではとても理解したとはいえなかった。論文内容はbichromate系の薬品に代わる安全なモノマー化剤を採用した顔料画像の形成で、ガムプリントとカーボンプリントに類似したプロセスが数種述べられている。これを読んだ当時私は、これではとても十分な階調は得られないだろうと勝手に判断し、興味は残しながらも追試などはやらなかった。最近arata氏のブログで氏がチバシステムを試行されていることを知り、教えを乞うた次第である。
 クロムに代わるモノマー化剤として、クエン酸アンモニウム鉄(ferric ammonium citrate)を使うことがこの技法の肝である。クエン酸アンモニウム第二鉄(以下AFCと略記)は貧血治療薬にも使われる医薬系の物質で、食品添加物としても使われている。つまりなめても(もちろん少量)安全性に問題ないわけだ。それよりも古典技法をやる人ならサイアノタイプの主剤として周知のことだろう。このAFCを用いてカーボンプリントを作りたいというのが私の願いなのである。
 そこでいきなりのカーボンプロセスは無謀なので、まずはチバシステムに沿った作成をarata氏の助けを借りながらやってみることにした。
 チバシステムの詳しいプロセスは前記のブログを参照願いたいが、簡単に書けばこのようなものだ。
 1. 紙(水彩画用紙が基本)にゼラチンで下引きをほどこす。
 2. 感光乳剤を作る。
      ゼラチン、AFC、顔料(水彩絵具)、精製水 の混合物
 3. 下引きした紙に2を塗布し、乾燥させる。
 4. ネガを重ねてUV露光する。
 6. オキシドール水溶液に短時間浸ける。
 7. 温水で現像、未硬化の顔料を抜く。
 8. 乾燥して完成
 以上のようにとてもシンプルな工程である。実際の論文ではパラメータを変化させた実験分析が細かく論述されているのだが、美術写真としての完成をめざしているわけではない。したがってわれわれは、この論文をもとに鑑賞に堪える画像を作りだすレシピを探し出さねばならないわけである。
 もっとも私は”下手の鉄砲も”の口で、まぐれ当たりを狙うしかないのであるが。

<画像が出ればもうけものでやってみた第一作、コーティングからして難しい、前途多難>
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by blue-carbon | 2011-09-15 12:40
 相変わらず水道水は高温だが、ともかく研究あそびと読む)は続けなければと、久しぶりにとっておきのカーボンティシュを取り出した。6月ころに作成した出来の良い純黒のものだ。おや、すこししんなりしている感じだ。表面に触ってみて不安がよぎる。あきらかに吸湿している。大雨もあって長くつづいた高温多湿の天候のせいだ。保管していた暗室には一応エアコンまがいのものはついているが、24時間つけっぱなしというわけにもいかず、一日に数時間しか使っていなかった。ティシュの端を切り取って43℃の温水につけてみる。いくら揺り動かしてもカーボンは溶け出してこない。47℃に上げてやっとにじむ程度にoozeしてきた。これでは実用にならない。つまりこのカーボンティシュは死んだのである。これがあと何枚あったか、まったく残念なことである。
 このように生のカーボンティシュは、高温や多湿にさらしていると、早ければ数日から数週間で不溶解に変質してしまうことが多いのだ。そんなことはわかっていたのだが、吸湿紙に挟んでおいたのでつい油断してしまった。つまり、自分の頭も高温多湿に犯されていたわけだ。
 あたらしくティシュ作りをする前に、専用保管箱を準備しなければならないだろう。残暑は続き、多湿はいつものことであるから。
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写真ハ本文ト無関係デス
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by blue-carbon | 2011-09-03 10:30