ポジ/ポジ方式のカーボンプリントの試作

 コロジオン湿板法の一種にアンブロタイプがあり、その同類にティンタイプがある。どちらも本来はネガである像をポジに反転したように見せるという変わった技法であるが、このブログをご覧の方に説明の必要はないであろう。当初私は古い時代の手抜きの技法くらいに考えていた。しかし実物のアンブロタイプを見た時、その像体(物としての写真につけた私の勝手な造語)の力強さに魅せられたものである。そこで私はカーボンでもひとつ逆の発想でなにか出来ないかを考えてみた。それがポジtoポジのプリントである。カーボントランスファー法には決まった発色は無く、色材の選択で大抵の色は出せるわけである。だからもしネガと白いカラーティシュでプリントすれば見かけ上でネガティブの像ができる。そこでポジ画像をネガとして?白いカラーティシュと組み合わせれば生まれるものはポジ画像であろうと考えたのだ。まあ大した思いつきでもないのだがとにかくやってみた。カーボンプリントは露光特性のリニアー性が高く暗部の階調分離が大変良い。どちらかと言えばローキーな絵柄に向く技法である。それはもちろんダークな色材を用いたネガtoポジである。これを逆に明色系の色材を使ってポジtoポジでプリントするのである。一見ハイライトのみで作られたような像になるが、ネガtoポジであればそれは暗部に相当するのだから階調は出せるだろうと思ったのだ。結果を見ていただくと今回の結果は元ポジよりハイキー寄りとなり中間調が不足する傾向で、全体として階調が詰まり気味である。しかし予想通りハイライトの描写はなかなか繊細でありハイキーな絵柄には有効ではないかと思う。今後はカラーティシュの作りなどを変えてためさなくてならない。

写真1:元の画像をTPSフィルム上にプリントしたポジ像。意図的にコントラストは高め。
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写真2:写真1を使い透明アクリル板上に白色でプリントしたポジポジ像
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写真3:写真2の裏側に黒色フエルト紙を当てた状態。疑似アンブロタイプ?
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写真4:黒マットのアクリル板上にプリント。疑似ティンタイプ?? 
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今回は透明水彩絵の具を使用した。そのため透明感が強くなり特に写真4では明度が下がったようだ。なお反射率を上げるためパール粉末を少量混入している。    以上
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