カーボンティシュと日本画顔料

 前にカーボンプリントの色は自由と書いたが、もちろん使える色材があればのことである。日本画用の顔料ではどうか。一口に顔料と言っても、その由来物質によりさまざまであるが、概して粉体で市販されているものは、粒度がかなり細かくてもむずかしい。それはゼラチンに混ぜたのち、支持体に塗布するまでの間に、粒子がどんどん沈殿していってしまうからである。もともと画材の顔料は粒度を揃えてあるはずだが、それでも大きな粒子から沈んでいってしまう。逆に荒い粒子を除くためには、これはある程度必要な過程でもあるのだが、顔料は「岩料」でもあるから、比重の大きな原料のものだと、ビーカーの底にヘドロ状に溜まってしまい使えない。かといって無理に混ぜれば、表面のきたないムラなティシュとなってしまう。日本画の顔料の中には、使いたい魅力的な色が多いのだが、上記のような理由であきらめている物が多い。それでは、再磨碎してもっと細かくしたらどうかといえば、こんどは色が薄くなり最大濃度が落ちてしまうのである。要はゼラチン中に安定して懸濁状態でいるものが理想ということだ。以上は目下の研究課題である。
 さて、日本画顔料を使った作は後に回して、今回の色は、実はPGIさんの販売しているカーボンティシュを使ったもの。B&S社のforest greenである。デジタルネガに細工をしてピクトリアリズム調にしてみた。けっしてご本家作家のみなさんの作とは比較しないでいただきたい(苦笑)。

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    24×15.5㎝(クリックで良質画像)
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by blue-carbon | 2011-05-18 10:00